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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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■□ 第88回

■□ 第88回
□■ 本日のお題:天才画家、かつてここに住む

家賃をためた女性貧乏画家が家主から「さあ、払え」と追い詰められています。さて……、

"Just think," the artist pleaded, "someday tourists will be pointing at this building and say, 'The great abstract painter Susan Krechevsky used to live here.'"

The landlord shrugged. "And if you don't pay up, they can come by tomorrow and say that."


★【語句と訳】

plead 「申し開きをする、訴える」

abstract painter 「抽象画家」
抽象に対して具象は realistic(または objective)。

landlord 「(男性の)家主、大家」(女性は landlady。
ただし、最近は男女を区別せず owner ということが多い) 

shrug 「肩をすくめる」

(画家はこう訴えました。「考えてみて。いつの日か、観光客がこの建物を指差しながらこう言うわ。かつてここに天才抽象画家スーザン・クレチェフスキーが住んでいた、と」

大家は肩をすくめて冷たく言い放ちました。「いますぐ家賃を払わないと、明日にでもやって来てそう言うさ」)


★【笑いのポイント】

貧乏画家が、自分が著名な画家になるとこのビルも価値が高まるはずだから、家賃をなんとか免除してくれと頼んでも、Better an egg today than a hen tomorrow.(明日の
ニワトリより今日の卵)が信条の現実的な大家は聞く耳を持たなかったというジョークです。

★【余談】

ロンドンにはブループラーク(Blue plaque)と呼ばれる、建物の壁に埋め込まれた青い陶器の銘板が現在、約800枚あります。

これは歴史的建造物の保護に努めている English Heritageによって、シェイクスピア、ガンジー、ニュートンなど、歴史的著名人がかつて住んでいた建物につけられています。

ちなみに、日本人としては夏目漱石の下宿に2002年3月、Blue plaque がつけられました。

ロンドンの街を散歩しながらブループラークを見つけたら、立ち止って読んでみてください。架空の人物の家であるはずのシャーロックホームズの家にもあります。

           ■□■

今回の担当は井谷でした。専門は美術史で、イギリスで学びました。アートやイギリスに関して、また女性に関係するジョークをみなさんと一緒に楽しんでいこうと思っています。
by Count_Basie_Band | 2007-09-22 16:07