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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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チャパツこそが敗因

 長年アパレル業界で暮らしてきた妻が、50歳を過ぎてから外国人客の多い美容院に受付兼通訳として勤め始めた。美容師の中に愉快な男がいて、3人で時々ゴルフに行っていた。
 彼からはいろいろ面白い話を聞いたが、男のプロスポーツ選手がチャパツに染めてくれと言ってきたら断固として断ると言うので驚いた。野球、サッカー、ゴルフからボクシングまで、プロスポーツ界はチャパツだらけだ。歩合制の美容師としてはいい客のはずなのに断るという。「プロスポーツ選手としてダメにしたくないから」というのである。
 同じ色に染める場合、男には女の10倍の染料が必要だそうだ。染髪剤というのは、単独で用いるとのたうち回るほどの激痛を引き起こす。そう言われれば相当以前の映画で「デンゼル・ワシントン」か誰か黒人俳優が理髪店で染髪中にのたうち回るシーンを観た憶えがある。それで現在の染髪剤には鎮痛剤が配合されている。その結果、チャパツに染めた男は鎮痛剤の鎮痛作用の中で生きていることになる。ずっと染め続けていると鎮痛作用が常態となり、その作用を認識しなくなる。その美容師は「酩酊状態」と表現した。つまり四六時中ボーッとしており、反射神経が鈍るし、判断力が弱まり、集中力が維持できなくなる。だから彼はプロスポーツ選手の染髪は断るのだそうだ。
 以来、私はプロスポーツの中継を観るときは選手がチャパツかどうかに先ず注目するようになった。
 プロゴルフでは、今では日本選手の7割ぐらいがチャパツからキンパツである。そして男子ツアーのゲームの7割はオーストラリアか韓国の選手が優勝するようになってしまった。女子ツアーに魅力的な新人選手が続々登場していることもあり、男子ツアーの人気は急降下を続けている。
 プロ野球では楽天の野村監督が就任第一声でチャパツを禁止した。野村が染髪剤のことを知っていたとは思えない。選手たちの不満は爆発寸前まで行ったようだ。しかし、相変わらず最下位ではあるが、昨年よりはずっとプロらしいゲームをするようになった。
 西武からニューヨーク・メッツに移った松井稼頭央は、投手から内野手に転向した頃は素晴らしい選手だったがキンパツになってから時々信じがたいポカをするようになった。フリーエージェント制度(簡単に言えば選手として一定期間働けば自由に移籍できる権利)でニューヨーク・メッツに移ったが、西武側は陰で大喜びしたという噂がある。メッツでも段々成績が低下し、メッツ不振の最大要因として罵倒され続け、今年6月、コロラド・ロッキーズに放り出された。
 一方、イチロー、井口、城島のレギュラー三人組はいずれも黒髪のままだ。メジャーリーグの中には染髪禁止が契約条項に入っているチームもある。これは、元来、アジア人選手を対象とした条件でなく、黒人、中南米人、黒髪に染めたがる白人を対象としたものである。そしてイチロー、井口、城島が在籍するチームにはこの条件がない。しかし、彼らは染めない。弊害を知っているのだろうか。
 そして彼の美容師の説の正しさを証明するかのごとき現象が、この数日、ドイツで起きている。アジア人と同じ黒髪民族であるイタリア、スペイン、ポルトガルが揃って決勝トーナメント上位に進出し、イタリアは日本時間の明早朝フランスと王座を賭けて戦う。これら3チームには髪を染めている選手はいない。全員真っ黒だ。
 一方、日本チームで黒髪なのは11人中3人から4人に過ぎない。皆チャパツかキンパツだ。惨敗の理由がいろいろ挙げられているが、私はチャパツキンパツを第一の要因とみる。ほとんどの選手が酩酊状態でゲームをやっているのだから。
by Count_Basie_Band | 2006-07-09 13:45