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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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たまには歌の話を

 私の嫌いな歌手トップテンは
①松任谷由実
②中島みゆき
③桑田佳祐
④美空ひばり
⑤エルヴィス・プレスリー
⑥ビートルズ
⑦マーサ三宅
⑧チェット・ベーカー
⑨ヘレン・メリル
⑩日本のシャンソン歌手全員
と書くと、①、②、③、⑤、⑥の狂信者から罵詈雑言や殺害予告が送られてくる。これもファシズムだ。⑦、⑧、⑨はフツーの日本人にはほとんど知られていないから無難ではあるがいろいろ陰口を叩かれているだろう。それが面白いから方々に書く。
 罵詈雑言や殺害予告に対しては「汚いモノは汚い。汚さがわからないヤツは穢らわしい」と毒づき返す。①と②の信者はますます猛り狂う。⑤と⑥のファンは概ね中年以降の女性で、しつこく食い下がり、その魅力を私に理解させようと努める。それが面白いから方々に書く。
 ④は「神聖不可侵」らしく、「非国民」呼ばわりされる。「非国民」という言葉を使う人たちの定義では、「愛国者」でない人は全員「非国民」らしい。そして私は「愛国者」ではない。だから「非国民」という称号をありがたく頂戴する。それが楽しみで方々に書く。

 実は、私は「国家の品格」を最後まで読んでいない。「祖国愛」云々が出てきたところで放り出してしまった。「愛国心」だろうが「祖国愛」だろうが、わざわざ言葉にして論ずる性質の事柄ではない。まして法律に明文化するなんて愚の骨頂だ。下心は何だろう、と詮索したくなる。さらに学校で「愛国心教育」をやるという。そんなことに時間を浪費せず「読み書き算術」を叩き込む方が日本の将来にとってプラスになるはずだ。
 選んで生まれたわけでもないのに、自分が生まれ育ち、長年暮らした土地の町並みや自然、周囲の人々、人々の話す言語などに愛着を持つのは個人の生理現象だ。その土地に嫌気がさして逃げ出すのも個人の生理現象。他人がとやかく口を挟むべきことではない。「愛国心」を植え付けるのではなく、住む人々が生理的に愛着を感ずるような環境や制度を整えるのが立法、行政、司法の仕事だろう。
 「国旗及び国歌に関する法律」も笑える。この法律が作られた頃、方々で批判して脅迫も受けたが、これも放っておけば済むことだ。ブラジルとのサッカーの試合で緑の旗を振るネイティブ日本人はいないはずだ。しかしブラジル移民の子孫で日本に戻った人たちは緑を振るかも知れない。それはそれでいいではないか。強制してはいけない。生理現象なのだから。
 逆に大リーグの中継を見ていると、たとえばイチローが打席に立つと紅毛碧眼や黒いアメリカ人が日の丸を振る。白地に下手な字で「イチロー」、あるいは「Ichiro」と書いてある。あのアメリカ人たちが「国旗及び国歌に関する法律」なんてものを知っているわけがない。楽しんでいるだけだ。
 日の丸の良さは、白い紙か布と赤い紙か布、または赤く塗る筆記具があればいつでもどこでも簡単に作ることができる点である。さらに白い部分が多いからいろいろ書き込める。法律では縦横比や赤い丸の位置が決められているが余計なお世話だ。
 私は「君が代」も好きだ。何と言っても短いのがいい。スポーツの国際試合では試合前に両国の国歌が演奏されるが、「君が代」はすぐに終わる。
 ひと頃、歌詞についての議論が盛り上がった。「君が代」の「君」は天皇を意味するからどうのこうのという論争だったと思う。さらに戦争責任云々とエスカレートした。あの議論をしていた人たちは諸外国の国歌の歌詞を読んだことがあったのだろうか。ほとんどは「軍歌」「革命歌」で血の臭いがする。その点「君が代」の歌詞には血の臭いがない。石が巌に成長するというとんでもない展開も楽しいではないか。
 旋律もリズムも易しい。誰でも歌える。変拍子も転調もない。カラオケに入っているかどうかは知らないが、アカペラで歌っても、弦の入ったオーケストラでも違和感がない。一方、「軍歌」「革命歌」の類はブラスバンドじゃないと間が抜ける。スポーツの試合前には日本選手たちは「君が代」を普通の表情で歌っている。「軍歌」「革命歌」を歌うと人間の顔は険しくなる。だから法律で決めなくても「君が代」は定着する。

 稀に「好きな歌手」を訊ねられる。いつも「田端義夫」と答える。私がジャズについて書いたり喋ったりしていることを知っている人はギョッとした表情を見せる。しかし日本語の意味をきちんと伝える技術では彼の右に出る歌手はいないと信じている。
 最近、「藍川由美」というクラシックの歌手が歌った「古賀メロディ」を愛聴している。「田端義夫」ほど上手くはないが楽しい。ただし、まだ入手可能かどうかは不明だ。
by Count_Basie_Band | 2006-05-28 10:34