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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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もう一つのファシズムの種?

 私の正体をご存じの方々から「一つのファシズム」についてメールを数通頂いた。このブログではコメントを書き込まれる方に本名もメールアドレスも求めてはいない。にもかかわらず、感想がメールで寄せられる。コメントは怖いそうだ。まさにファシズムである。
 感想を寄せられた方々のうち喫煙者は半分に満たない。生まれたお子さんが喘息なのでスッパリ禁煙された方もいらっしゃる。論点は「ファシズム」、「言論封殺」、「非国民呼ばわり」に対する危惧、恐怖である。私だって残り少ない人生、ファシストたちに袋叩きされながら送るのは不快だ。いまさら蛮勇を奮って名前を売り出す必要もない。だからこうして敬愛するカウント・ベイシーの陰に隠れているのである。
 実はファシズムに発展する恐れのある問題がいくつか生じている。ファシズムのタネである。その一つは「少子化」問題である。既に家族レベル、狭いコミュニティ・レベルで「子供を産まない女性」「子供を産まない女性の配偶者」「子供を産まない若者の親達」に対する攻撃が烈しさを増している。これは、もしかすると「禁煙ファシズム」より深刻な問題に発展するかもしれない。「再生産」、つまり子孫を残すことが日本人の義務だという主張が勢いを増している。私には子供はいるが孫はいない。したがって攻撃を受けつつある。
 自ら生まれたいと思って生まれてきた生物はいない。皆、生まれてきたから仕方なく生きているだけだ。そして不幸にして人類は言語を持っており、言語があるから思索する。思索の結果、自分の生きたい生き方を考え出す。
 一度しかない人生、自分の能力、自分が働いて得た経済力を家族や子供のために費消したくない。自分のために使いたい。そう思い、そのように生きる権利は誰にも与えられなければならない。家庭を持ち、子供を産んで育てたい。そう思い、そのように生きる権利は与えられているのだから、その逆も与えられなければならない。それが「公平」というものだ。
 自ら生まれたいと思って生まれてきたわけではないという出発点が同じであり、子供を産もうと産むまいと、石ころ同然の骨になるだけという終点も同じなのである。出発点と終点が全員同じなのだから、その途中ぐらいは勝手にさせて上げようと思わない人間の思考過程は、私には到底理解できない。私と同じ「ヒト」という生物とは思えない。
 少子化防止をタネに生計を立てるのも自由だが、個人攻撃はやめなさい。ファシズム型の運動はやめなさい。日本の人口を維持する意志を持って生まれてきた人間はいない。人口が減ろうが増えようが個人の問題ではないのである。いわゆる貧困国では出生数が多いのに人口は増えない。それはその国に住む人々の、個人の問題ではないのと同じである。
 さらに、子供を産みたくても産めない人もいる。そのような人たちまで攻撃するのは戦争にまさる蛮行である。「子作りファシズム」の台頭を、命を張って阻止する若者たちの出現に期待する。
by Count_Basie_Band | 2006-05-19 16:09