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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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災難

私が出た高校は県立だった。
理科は「生物」が必修で、「物理Ⅰ」「物理Ⅱ」「化学」から何れか二つ、社会科は「一般社会」が必修で「日本史」、「世界史」、「日本史」、「人文地理」からいずれか二つが選択だったように記憶する。
だが私は理科の授業に出席した記憶はなく、社会科は「一般社会」と「世界史」しか出席していない。「一般社会」と「世界史」はセンセイが面白かったから出席しただけだ。「物理」「化学」、それに「日本史」は一応選択したが授業には出ていない。
それでも卒業して大学に入ったのだから単位はくれたのだろう。

当時、国立大学はⅠ期とⅡ期に分かれており、旧帝大と、主として県庁所在地にできた通称「駅弁大学」がⅠ期で入試の科目は8科目、各科目のウェイトは同じだったはずだ。だからⅠ期を受験する連中は理科や社会の授業をキチンと受けていた。
Ⅱ期は横浜国立大学、東京外語などで受験科目の少ない大学が結構存在した。それらのⅡ期大学や私のように私立志望の生徒は理科や社会の授業はまるで無視していた。
まして私の第一志望の大学は入試点数の60%が「英語」、「数学」が20%、「国語」と「社会科」が各10%というウェイト付けになっていたから「社会科」は無視して当然と思っていた。かといって無視した学科の時間に英語や数学の勉強をしていたわけではない。
無視する学科が2時間続けば映画を見に行っていた。1時間しかなければ、他の無視組と野球をやったりしていたし、天気が悪ければ図書館で遊んでいた。

そして入試の社会科では「年」や「人名」を暗記するのがイヤだったので「一般社会」を選ぶつもりでいた。しかし試験場で問題を見ると選択もしなかった「人文地理」の方が易しかったので「人文地理」を受験してきた。

高校の授業なんて今でもそんなモノだと半世紀以上思ってきた。
そして、やはり「そんなモノ」だった。
なのに今頃になって問題になった。
誰が最初に問題にしたのか知らないが、バカがいるものだと驚いている。
主として理工系志望者の社会科が問題になっているらしいが、調べれば分かる「年」や「人名」の暗記に時間とエネルギーを使うことの方がもっと重大問題だと思うがエライ人たちはそうは思わないらしい。まったく思考しない単純な暗記の非生産性、無意味さは問題ではないらしい。
教育委員会だか何だか知らないが、要するに行政機構の寄生虫からの問い合わせに正直に答える高校も高校だ。
トボケ通せばいいじゃないか。せっかく半世紀以上トボケ通してきたんだから...

問題にすべきことはもっと他にあるだろう。
例えば「世界史」と「日本史」を分けるのは大きな間違いだと私は半世紀間思い続けている。
「世界史」に統一すべきというのが私の意見である。特定の時代の世界を横断して学ばせるべきなのだ。
現在の「日本史」では天文18年または1549年にフランシスコ・ザビエルがキリスト教の布教のために来日したことは教えるが、その頃のヨーロッパはどういう状況にあったのかは教えられない。その約半世紀前にコロンブスが大西洋を横断して中央アメリカを発見していることは教えられない。
そんな学科の区分、組み立ての方がよほど重大な欠陥ではないか。

卒業まで半年も残っていない子どもたちにはまったく災難だ。
by Count_Basie_Band | 2006-10-31 16:15