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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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経済暴論

「平太郎独白録」(http://heitaroh.exblog.jp/)での管理人「heitaroh」さんのご質問に答えた暴論です。太字がheitarohさんの質問です。

>オイルショックから円高不況のときも、各企業ともに、コストダウンに取り組んできましたよね。

先ずトップの世代が違います。たとえ代替わりしていても先代の番頭が残っていました。一方で労働組合が機能していました。そして経営側と組合側は「終身雇用」を神聖不可侵の経営目標として共有していました。
不採算部門を切り捨てても、その部門の従業員は他部門に吸収されていました。下請についても同じです。転業を支援しました。

>平気で現場削減に手を付け、あげくが高く付いてしまっている・・・

今のトップは、要するに子供、ガキなんです。象徴的な例として、社会保険庁は新長官が「率」を目標に掲げたから現場は分母を切ったのです。「数」か「金額」を目標にすれば「捏造」はもっと難しくなります。まさに「幼児」。

終身雇用を維持していたのでは、世界では競争力が保てないのでしょうか?

競争力を保つことができたと思います。人件費というのは生活費ですから、国内における円の購買力を高く維持すれば人件費は低く抑えられます。つまり生活物資の自給率を高く保てばよかったのです。外国はソシアル・ダンピングだと非難します。そんな遠吠えは聞き流しておけば良かったのです。外国の消費者、最終需要家を満足させれば輸出は伸びるのです。
ところが政治は外圧に負けて輸入を増やし、土建圧力に負けて国家の歳入を土建工事に使うようになってしまいました。

円高の下では輸入が儲かります。だから関税その他の輸入障壁をもっと固めるべきだったのに、やはり外圧に負けてどんどん自由化してしまいました。更にアメリカかぶれの学者評論家共が「日本式経営は硬直経営であり、レイオフが自由な欧米に伍していけない」と吹きまくりました。それをメディアが後押しし、定説化していきました。欧米のレイオフには「seniority rule」というブレーキがあるという重大な点は伝えなかったのです。欧米でも100年以上安定経営を続けている超一流企業では「終身雇用」どころか「世襲雇用」である事実もひた隠しにされています。(拙ブログの「Who is WHO?」参照)。「終身雇用」と「年功序列」の組合せは、実は、日本だけのシステムではないのです。

このシステムの最大の利点は、将来の生活が保証されているので従業員は勇気を持って課題に挑戦できることにあります。その時々の上司に逆らっても生活は脅かされないのです。それが様々な改善、革新につながります。

つまり「成果主義」とはコインの裏表の関係になるわけです。アメリカ流成果主義では、成果を測定するタイムスパンが長くて1年です。これが組織内の各単位レベルでの粉飾を生みます。更に成果を測定する人々に対する贈答接待が常態化します。つまり組織を腐敗させるのです。
小泉内閣は景気が回復基調にあるとはしゃいでいますが大嘘です。粉飾の累積に過ぎません。
「偽装請負」に代表される労務関連の粉飾不正がが暴かれるとまた経済指標は悪化します。石油問題がそれに追い打ちを掛けます。
そのまま「日本沈没」かもしれません。
by Count_Basie_Band | 2006-08-12 09:21