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業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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時にはゴルフの話も

 満70歳に達する日の丁度1カ月前からスポーツクラブ、いわゆるジムへ通い始めた。歩いても10分足らずだから近所と言える。自転車漕ぎ以下各種のトレーニング機器、エアロビクスやヨガのグループレッスンに使うホール、プールの他に室内ゴルフ練習場もある。
 私は高校から大学前半までの通算5年の合唱団員暮らしで指揮者に従うことにウンザリしてしまったのでエアロビクスなどのグループレッスンは一切受けず、一人で各種トレーニング機器を使い、最後に30分ほどゴルフボールを打ってくる。
 毎日2時間、プロによるゴルフのレッスンがあり、私がゴルフ練習場に入るのはその直後ぐらいである。したがって私と並んで打っているのは、レッスンを受けたあと練習している人たちがほとんどだ。最初の日に私はその人たちの不思議な共通点に気が付いた。ボールを打つ瞬間、左足は既に回ってしまっている。
 私がゴルフを始めたのは1963年、いまから43年前である。その頃、最初は皆プロの指導を受けていた。自己流で始める人はいなかった。しかもボールを打つのは数回目のレッスンからである。それまではクラブを振る体操だけ。体操におけるポイントは下記だったと記憶する。
1.両足の感覚は肩幅ぐらいで、足は飛球線に垂直。
2.足首、膝、腰はスキーの要領、つまり少し曲げて柔軟性を維持する。
3.尾てい骨を地面に突き刺す。
4.足の指を開いて地面を掴む。
5.左手の中指、薬指、小指に力を入れ、右膝を内側に軽く締めてから左肩を右足の親指の上まで回す。
6.グリップが右耳に来るように肩で押し上げる。手で引っ張ってはいけない。
7.左腰を左に捻り、グリップエンドをボールに向けて引き下ろす。
8.クラブフェースとボールが接触するまでは、左足の内側、親指から踵までの線は地面から離してはいけない。

 ある日、少し早めにゴルフ練習場へ行ってレッスンを見物した。上記8項目のただ1つも教えていない。構えたときの肩の向きや手の甲の向きなど、スイングに入る前のことしか注意しない。

 現代の道具を使えばそれでもボールは意図したように飛んでくれるのか。そう解釈するしかない。

 現代のゴルフクラブはチタンを中心とする合金技術の世界だが,私が始めた当時はシャフトはスチール,ウッドクラブのヘッドはパーシモンと呼ばれる柿の木の一種を自然乾燥させたものであり,アイアンのヘッドは鍛鉄,グリップは巻き革,つまり幅数センチの革を巻き付けたものだった。
 自然乾燥のパーシモンは30年以上前に資源が枯渇して姿を消し,鍛鉄のアイアンも巻き革も職人不足から滅多に目にすることはなくなった。しかし私はパーシモンのウッドと鍛鉄のアイアンの最後の頃の製品を所有し,使っている。ただし,53歳でサラリーマンを辞めたときにシャフトをSからRに替え,グリップもワイヤー入りのラバーに替えている。
 いまや他人様より良いプレイをする気概も技もなく,ただ18ホールズを歩き通せれば満足という境地だ。そして骨董品の道具でキャディその他周辺の人たちが驚くのを見て楽しんでいるだけである。
 そしてこの週末、The Open(全英オープン)や日本の男女の試合を見ていたら、ほとんどのプレイヤーが上記の8項目を厳守しているように見える。「横峯さくら」は時々忘れるようだが…
 どうやら道具の問題ではなさそうだ。
by Count_Basie_Band | 2006-07-24 17:19