業界の一部では死んだことになってるそうですが


by Count_Basie_Band
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Naiveな人々

E-DIC(朝日出版社)からの引用
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naive
せけんしらず[世間知らず]
日本語の「ナイーブ」即、英語のnaiveではないことに注意。「ナイーブ」は「(神経が)繊細な」の意味で使われている。英語ではsensitiveがこれにあたる。英語のnaiveには「天真らんまんな」とか「無邪気な」のほかに「経験に欠けた」「世間知らずな」の意がある。普通、口語では後者の意で使われることの方が多いと言えるだろう。つまりYou're very naive.と言われても、無条件に喜ぶわけにはいかないのである。There's a rather naive side to her that everybody likes.(彼女には誰にでも好かれる天真らんまんなところがある)。She's so naive that I have to explain every little thing.(彼女は世間知らずで、僕がどんなことでもいちいち説明しなければならない)。ほかに、説明的に言うならHe knows nothing about real life.とかHe knows nothing about the ways of the world.でも「世間知らず」ということになる。
○世間知らずだなあ、やつらは君を利用しようとしているだけなんだぞ。You're so naive. Can't you see they're just using you?
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 私は「お目出度い」「間抜け」「トンマ」などの訳語も使う。「幸せなヤツ」がピッタリ来る場合もある。
 社会保険庁事件はますます拡がりを見せているが、あの長官は何と表現すればいいのだろうか。神妙な顔で謝ったり、開き直って記者団を睨んだり、この組織の立て直氏が自分の使命だと言ったり、任命者である首相が辞めろとおっしゃれば辞めますと言ってみたり。
 彼を見ていて某企業のトップを思い出した。得意先の小売店に対する売上の対前年伸び率を高い順に並べ、伸び率の高いセールスマンを表彰するというのだ。表の一番上に100%というのがあった。倍増させたのである。しかし、その金額は前年が100万円で当年が200万円である。「これ、立派やないか」
 ずっと下の方に100億から110億に増えた得意先があるのに気が付いた。「こちらの方がエライと思いますが」と私が口を挟んだら「1割しか増えてないじゃないか。経営は率だよ、キミ」と私は睨まれた。
 会社の売上を僅か100万増やしただけの方が、10億増やした方より高く評価されたのである。以来、私はこの経営者に寄りつくのをやめた。だが「経営は率だよ」という思想は結構根強いらしい。
 この種の「率盲信」型の人物はnaiveと言えるし、そのようにnaiveな人物を問題だらけの社会保険庁長官に選んだ人もnaiveだ。ノルマ、目標を課すのなら、納入者数や納入金額などの数値を設定するのが、人間を理解している人の判断である。

 この数日間、もっとnaiveな人々を観察した。「弁護士資格を持つタレント」と呼ばれる橋下徹氏の「申告漏れ」事件に対する反応である。
 私はあの新聞記事を眼にした瞬間、橋下氏と税務署の調査官のやりとりを想像できた。法人であろうと個人であろうと、税務調査を受けたら「申告漏れ」が必ず発見されるのである。「申告漏れ」の認定は調査官の恣意であり、そして税務調査を行うときには一定レベルの「修正申告」、すなわち税金の追徴が予定されている。だから税務調査の予告を受け取った瞬間、納税者は腹を括る。それが日本の税務行政なのである。
 ところがインターネットの掲示板やブログのコメント欄は橋下氏に対する非難で埋め尽くされている。「弁護士ともあろう者が申告漏れや経費水増しを犯すとは何事か」「このような反社会的行為を犯した以上、橋下氏は弁護士バッジを外すべきだ」といった調子だ。
 中には「本当に経費を使ったのなら領収書があるはずだ」「いや、領収書がなくても即座に出金伝票を切って記録しなければならない」といった議論も見られた。税務署が定期的に開催する「納税者講習」ではたしかに「領収書がない場合は出金伝票で記録を残すように」と指導される。
 だが実際の税務調査では領収書や出金伝票の有無は問題ではない。一定額の売上隠しの申告や経費の自己否認を求められる。調査官に懇願される場合もある。それが現実である。
 しかし国民の大多数はその現実を知らない。納税はすべて勤務先委せの人が圧倒的に多いからだ。だから藤原正彦センセイのご指摘通り「国民は成熟しない」のである。naiveなままなのである。
 あの記事を書いた記者はどうなのだろう。橋下氏はテレビで記者の実名を明らかにした。裏で何かがあったようだ。記者が橋下氏を怒らせたのだ。大体見当はつくけれど。
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by Count_Basie_Band | 2006-05-30 16:50